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2010年04月13日

お普通壇

お普通壇

お普通壇を創ると言うこと NO,1

先日の作品展でのことです。
ご主人を亡くされたばかりの方とお話しする機会がありました
「亡くなったご主人のために何か供養になる物を作りたいと言うことでした。」

49日までに仏壇や位牌を作れと周りからいろいろ言われること。
どうしようか迷っていること。
それから、亡くなったご主人の性格や趣味。
亡くなる間際までの彼のがんばり、
奥様に与えてくれた優しさ、
心にあふれる思い出や意外な周囲の冷たさや優しさなど。
時には涙を流しながら、一時間以上語っていただきました。
私は聞き役でしたが。
彼女のご主人に対する今まで積み上げてきた愛情の深さが
ヒシヒシと伝わってきました。
でも、普段の元気な彼の時には気がつかなかったそうです。
彼が病に倒れて共に病と戦う生活になって初めて気がついたそうです。
夫婦ってそんなものかもしれないですね。

彼女のお宅にはすでにご両親が使っていたお仏壇があるそうです。
でも、「亡くなった彼のために作ってあげるのが私の役目」とおっしゃっていました。

でも、僕は思うのです。
「それはあなたがこれから生きていくために必要な“もの“だと思うのです、
仏壇でも厨子でもない”もの“です」
「いつかは誰も死を迎えますが、それまでは生きなければいけない。
どうせ生きるなら楽しく、元気に生きられたらいいですね。」
「そこに置いておくだけで彼を思い出し、
今日も一緒に元気に生きていける何かが。
慌てずに、亡くなった彼にふさわしい“もの”
そんな”ものづくり”を一緒に出来たらいいですね。
僕はあなたの思いを形にするお手伝いをするだけなんです。」

彼女はホッとした様子で「おかげで元気が出ました。
色々と考えてきます。息子にも話をしてみて、また相談に乗ってくださいね」
と言って帰られました。

悲しい話を聞いた後でしたが、私もなんだか心が元気になりました。

今の日本人は宗教心が薄くなりながらも
宗教の慣習にとらわれています。
でも、日本という国が出来てから脈々と擦り込まれてきた
原始アミニズムのような自然信仰を中心として
信仰心はどこの国の人よりあります
信仰と宗教がごちゃ混ぜで整理されていないのです。
地域のコミュニティーや家庭が崩壊しつつある都会ほど
残された人が癒される”もの”がありません








タグ :お普通壇

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Posted by 手仕事屋ふじしん at 17:21│Comments(0)ものつくり
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