手仕事屋ふじしん

2010年04月23日 18:58



私が仕事を始めた頃からの師匠(指物師)が
昨年お亡くなりになりました

75才でしたがまだまだ若く私なんかが及ばないほど
元気な方でしたが、突然亡くなってしまいました
腰痛で入院
投薬してわずか1ヶ月の命でした。
新薬の投与だったらしいですが、よくわかりません。

今年になって奥様からお仏壇の修復を頼まれて
ようやく完成。設置してきました。
私の親父の作ったモノでした
時の流れと巡り合わせの縁に何かを感じます。

設置しているとき以前勉強した如の世界観が頭に浮かびました



如の世界観
私たちが普段何気なく呼んでいる名詞は
いったいいつ誰が付けたのでしょうか?
如の世界では
全ての名前に如が付きます
たとえば
山のごとし(如):土が盛り上がっている塊ですか?
海のごとし(如):大きな水たまりですか?
人のごとし(如):生き物の一つですか?
地球上の全てのもの、宇宙も含めて如の塊ですね
その全てを真如と言うそうです
私も如のなかにいて如の一つですね

では、私はどこから生まれてきたのでしょうか
如の塊の中から生まれてきたんですね
如の塊から生まれてきたモノを“如来”と言うそうです。
私は藤澤如来ですか
如の中から生まれてきたものは全て、如来です。
宇宙全体は・・・、如の塊・・・、真如ですから
真如如来ですか。

如来はどんなモノでも必ず何かの役目を持っています
その役目を終えたとき真如に戻っていきます。“如去”と言います。

では次に
如の塊を構成しているモノの中で共通しているものがあります
何かというと
地水火風の4つになります。言い換えると
土、水、太陽の熱、空気になります
真如の中では全てがこの4つを共有しています。
この4つを含めた真如を“空”と言うそうです
{お位牌の戒名の上に空と書くのはこの意味ですね}
さて、
そうすると全ての如の塊は“空如来”と言うことになります
サンスクリット語で空はビルシャナとかルシャナと言います
空如来はビルシャナ如来、ルシャナ如来になりますね
これは阿弥陀如来のことです。

日本に仏教が伝わった頃
輸入された最初の仏像がビルシャナ仏です
空如来を形にしたモノですね

一目見ただけで
宇宙を含めた全ての如の世界が見えてくる
そんな仏像です。

空の世界では生まれてくるのを待っている如来の卵がたくさんいます
必要とされるまで修行しているのだそうです。

この世に如来として生まれてきたからには
何かの役目を背負っているのだと思うのです。

しかし、未だ気づけずにいる手仕事やなのであります。








関連記事